
都内の英会話学校での仕事を2020年12月末に希望退職してから、「もう他人の人生に影響されずに、自分の人生の主人公として好きなことをやりたい。」と本気で考えるようになりました。自分の好きなことは何か、それは、20代からずっと海外で暮らしたり、多くの外国人と交流してきた経験を活かし、大好きな英語を使って生活をしていくことです。
収入や会社の中での肩書だけでは、幸せな時間を過ごすことは出来ません。
たとえ、収入が半分になっても、きっと自分の好きなことをやれている時間の方が幸せだと実感しています。
強いmindsetがあれば、幸運は自然と訪れてくるものです。1,2月は英語の資格試験の猛勉強として、自分自身の英語力を証明する資格を手にしました。そして、3月になると、LinkedinというSNS経由でスペインから仕事のオファーの連絡が入りました。TransPerfectというアメリカのニューヨークに本社がある翻訳やAIテクノロジーのサービスを世界100都市で展開しているグローバル企業です。スペイン人の方からの突然のメール、そして、ドイツ人の女性(上司)とのSkypeを通しての英語での面接とトントン拍子に話しが進み、その日の内に、契約関連まで全てが行われ、夢のような1日になりました。契約形態はフルタイムでのフリーランス契約で日本のプロジェクトマネージャーとして5月末までの期間で採用されました。(実際は契約延長で7月末迄になりました。)上司がドイツ人やアルゼンチンの女性になりました。日々の業務のUpdateなどは全て英語で報告しています。正直、英語が母国語ではない上司や同僚なの英語に慣れるまでは時間がかかりました。
英語はコミュニケーションの道具なんですよね。正しい英語というもはありません。綺麗な発音の標準的なアメリカ英語しか聞き取れませんとか、クイーンズ英語しか聞き取れませんでは、本当の意味で英語ができる人になりません。
最初のスペイン人男性からのお仕事のオファーの連絡はスペイン語訛りが強く、そして、英語での面接のドイツ人女性の方もドイツ語訛りが強く、TOEICスコアではリスニングパートが満点だった自分も、とても苦戦しましたが、全集中をして突破しました。(笑)
今思い返せば、きっと1月から毎日Clubhouse(音声SNS)を聴いていたのも良かったのかもしれません。Clubhouseには実に世界中の方が集まり、様々な癖のあるアクセントや発音で、英語でディスカッションなどを行っており、アジアやヨーロッパの英語にも少しは慣れていたのかもしれません。

3月から始まった仕事は、毎日が刺激的でした。韓国、フランス、ポルトガル、スペイン、ドイツなどでも同じプロジェクトを行っていたので、1つのチームとして活動し、日々の連絡などはもちろん英語を使ってのやり取りとなります。
全員がリモートでの勤務となっているので、全てがメールやSkypeなどのプラットフォーム上で行うので、これからの新しいコロナ時代のNorm/働き方としても新鮮です。日本人とは違って、仕事に対してはしっかり自分の責任範囲では時間内で行い、ワークライフバランスを大切にしている価値観に触れることも出来ています。
日本人同士だとどうしても相手の年齢や立場を強く意識し、会話のスタイルや使う言葉遣いも変えるなど面倒なことも多いですが、英語だとその点はかなり自由でストレートなところが好きです。実は、自分以外にも日本人の同僚もいるのですが、全て英語でお互いにコミュニケーションと取っているので、相手のペルソナに縛られる型苦しさがなく、これまたとても新鮮なスタイルだと感じています。
日本人同士だと基本はhomogeneous society なので、年齢以外は他人と違うところがそんなにはないので、どうしても他人の年齢や立場を見るコミュニケーションになってしまっているのが、残念なところですね。
こうして、毎日英語を使って仕事ができる機会を手にすることが出来き、グローバル企業の企業カルチャーにも馴染んできました。そして、「可能であればこのまま正社員になりたい。」と思うようになりました。
何度も繰り返しになりますが、日本の企業では、40代以降の再就職は大変厳しいのが現実です。それは、年齢を重視した日本独特の視点があるからです。その人のスキルよりも年齢が重要になる社会なのです。自分自身も日本の企業で英語が使える仕事に30社以上は1月から応募し続けて来ましたが、書類選考で全て駄目でした。とても残念なことですが、それが日本社会の現実なのです。
その点、グルーバルなアメリカの会社の視点は、スキルになります。個人の経験やスキルが年齢より大事になります。

TransPerfectでこのまま正社員になりたいという思いで、Job Openingsを見つけては3回ほどCV(英語の履歴書)を送り続けましたが、返信を頂くことが出来ませんでした。グローバル企業では恐らく何百人単位で求人があるだろうし、なかなか厳しいのかなと感じながらも、諦めきれずに、最初に連絡をくれたスペイン人の方に連絡を入れて、「正社員になりたいので、推薦して欲しい。」とお願いをしましたが、これまた返信を貰えるまで数週間くらいかかり、やっと返信が来たかと思ったら、「今のところ募集がない。」と言われました。
フリーランス契約が延長になり、6月末まで仕事をすることが出来るようになりましたが、他に正社員の仕事を探さないと駄目かなと考えていた時に、突然カナダ人の男性の上司の方からメールを貰いました。
「日本でプロジェクトマネージャーの正社員が必要なのだが、興味があるか?」という内容でした。
「もちろん!ありますよ。」と返信し、Skypeを通してインフォーマルな会話もしました。
なんでこのカナダ人の男性からこんな話しを頂けたのかは少し謎ではあるのですが、思い返せば一度過去にSkypeでやり取りをしたことがあり、その時に日本でのプロジェクトについて質問をされ、すぐに応えて彼を助けたことがありました。このカナダ人の方はプロダクション部のマネージャーで、かなりResponsiveな性格な方で、メールやSkypeでも直ぐに返信をくれる人でした。実は自分もResponsiveで反応が速い方なので、彼からの連絡にすぐに返信し助けたことで、とても感謝をされた記憶がありました。
このことが彼の記憶に残っていて、自分に連絡をくれたのかは不明ですが、「君を推薦するよ。」と言ってくれたのです。
そして、日本にいるアメリカ人女性の方(上司になる方)とのSkypeを通しての英語での面接となりました。とても緊張しましたが、とても明るいトーンの声の方だったので、自分もそれに合わせて、明るく楽しく会話をするように心掛けました。今まで英語を覚えてきたのはこの日の為だろうと自分に圧をかけながら、自然に気持ち良く英語も出てきて、40分ほどの面接が終わりました。

日本企業と違って、合格の連絡が正式に届くとか、型苦しい感じではないのです。1週間ほどたっても彼女から返信がなかったので、カナダ人の男性の方にお礼がてらメールをして、まだ結果が貰っていないけど、この機会をくれた感謝をして、結果がどうであり、感謝でいっぱいですとやり取りしました。すると、「自分からもリマインドしておくので、心配しないで。」と言ってくれました。
数日経って、アメリカ人の女性から、「日本語を少し見てもらえる?翻訳のところおかしくないかな?」とフランクなチャットが入り、彼女の仕事の手伝いをしました。とても助かったとお礼を言われました。面接の結果が気になりつつも、とてもフランクなトーンなので型苦しいのも控え、それから何度かチャットで彼女の仕事を手伝いました。何度かインフォーマルにこうして話しているとお互いの性格もなんとなく見えてくる感じがしました。
思い切って、Can I work with you ? とチャットで聞いてみると、I pick up the process と返ってきました。つまり、進めていくということなので、合格ということなのです。こんなところも企業カルチャーというかフランクなところが気に入りました。「君、合格だよ。」とか言われるも確かに上から視線ですよね。日本の企業文化しか知らないと、こうしたフランクなやり取りの方を重視しているカルチャーを見落としてしまうかと思います。
ペーパー試験や金太郎飴みたいに皆同じリクルートスーツで同じ顔で同じ質問に同じように回答して入社する日本企業とは真逆なカルチャーですよね。(笑)
速いリスポンス、必要とされた時にすぐに答える姿勢、そしてフランクで自然な英語力など、ちょっとした相手とのやり取りの中で、信用が生まれて、人との繋がりが形成されていくものなのです。
こうして晴れてTransPerfectというグローバルな国際企業での働くことが出来るようになり、先月からは早くも研修が始まっています。韓国、フィリピン、インド、トルコ、インドネシアなどの国々の方と一緒に研修を受けています。研修を行ってくれているのはスペイン人の女性の方です。皆、英語の発音やアクセントは母国語の訛りがありますので、聴き取りやすさが異なります。個性がそれぞれある英語ですね。(笑)

いろいろな英語。
英語を話す人はNative Speakerとは限りません。むしろそれ以外の人が圧倒的に多いのが事実です。要するに、English Speakersの英語を理解する力がこれからは求められている英語力だと思います。
英語が話せること、それだけでも、自由な生き方は可能になります。