
8月にアメリカの会社の正社員になってから3ケ月が経過しようとしている。
日々のコミュニケーションは全て英語を使い、アジアやヨーロッパの様々な国の同僚達と会話をしている。今は、Euroasiaチームに所属しているので、基本的には、英語を母国語としている人は少なく、コミュニケーションの手段として、英語を共通語として駆使している。フィリピンやヨーロッパの人達の英語はやはり上手で、流暢に会話をしているが、独特のイントネーションや発音があるので、慣れるまでは時間がかかった。
自分は、直属の上司がアメリカ人だったので、アメリカ英語は聴き取りやすかったが、来月からは組織変更があり、新しい上司に代わりそうなので、自分の英語力も少し心配している。
とは言っても、実際の仕事上では、TeamsやSkypeなどを使って、テキストベースでやり取りをすることが多いので、Speaking力と言うよりも、WritingとReadingなどのスキルの方が実践的なのかもしれない。

日本の会社だと、どちかと言うと、顔を合わせながら、実際に口頭での会話を重んじ、事を進めていくことが多かったかもしれない。
アメリカの会社だと、テキストベースでビジネス上のやり取りをすることの方が圧倒的に多いことに驚いた。
確かにその方が、記録にも残るし、「言った、言わない問題」もなくなるだろう。
日本の会社に勤めていた時には、もちろん、それがパンデミック前だったこともあるが、比較的、同僚や上司達との距離も近く、仕事以外でのコミュニケーションも多くあり、単なる仕事というよりも、お互い仲間意識とか、繋がりみたいなものを感じることが多かったが、やはり、アメリカの会社だとそのあたりは極端に薄く感じる。
テキストベースで、Hi,team ! とか、お互いのことがをFamilyとか、単語上では、強い言葉でお互いの帰属意識や仲間意識を強化しようとする風潮は感じられるが、日本の独特の帰属文化とは大きくことなる気がしている。

仕事とは直接関係のないような、プライベートのことも沢山共有し、共感しながら働く日本の職場環境に長い間どっぷりと浸かっていたので、尚更、そう感じるのかもしれない。
この3ケ月の間で、特に在宅勤務で毎日毎日一人で家で仕事をしていたことも影響していると思うが、比較的、淡白で、仕事以外のことではお互いのことを深く知ろうともせず、仕事以外のことは殆ど話もしないような日々で、少し想像以上に淡白なカルチャーに戸惑いも感じた3ケ月だった。
唯一、同僚として仲良く出来ているのは、8月の同じ時期に一緒に正社員になった韓国人の女性だけだ。ちょっとした会話もお互いのSkypeを通して、仕事の合間に雑談が出来る相手になっている。
パンデミックによる変化で、誰もが以前とは異なった新しい働き方に葛藤しているのかもしれないで、アメリカの会社で在宅勤務だからと言って、自分だけが感じていることではないだろう。
日本の会社でも、今やリモートワークが普通になり、もしかしたら、今までよりはお互いの関係が希薄となり、仕事以外のことはあまり共有もせず、淡々とした働き方に変わった人も多くいるのかもしれないからだ。

パンデミック前には、内装が素敵な都会のオフィスなどで、外国人らと交流しながら、英語を使って楽しく働く未来を少し妄想していたが、今はパンデミックで、通勤もなくなり、素敵なオフィスも不要となり、仕事は家でも出来る新しい働き方が益々もって支流となることだろう。
グローバル企業に転職が出来たことはラッキーなことだったが、働く環境としては、意外にも淡白で淡々としている日々に、決して不満ではないが、これが誰しもが今後経験していくNew Normalなのかもしれないと自分に言い聞かせている。
隣の芝生は青く見えるもの。
理想と現実も違うものだったり、100%完璧な会社なんてものも有り得ないのも事実。
仕事は仕事として、英語力以外のオフィススキルも磨きながら、何か会社に貢献が出来て、この歳で採用してくれた恩返しもしていきたいと純粋に感じている。